NICT平磯太陽観測施設(茨城県ひたちなか市)開設100 周年アマ チュア無線記念局8N100ICT 運用のお知らせ

私は独立行政法人情報通信研究機構(NICT)の滝澤(JF3CGN)様から、NICT平磯太陽観測施設(茨城県ひたちなか市)開設100 周年アマ チュア無線記念局8N100ICT 運用のお知らせをいただきました。

NICT平磯太陽観測施設(茨城県ひたちなか市)が開設100 周年を迎えることなどを記念して、NICT の職員有志を中心とするアマチュア無線家たちが、アマチュア無線記念局8N100ICTを12月1日に開局し、来たる12月6、7日に同施設から2日限定で移動運用を行います。当日は特に茨城近辺の多数のアマチュア無線家との交信ができることを願っております。

NICT平磯太陽観測施設における記念アマチュア無線局8N100ICTの運用のご案内

運用日時  2014年12月6日(土)・7日(日)
運用時間  各日とも午前~夕方 
(無線設備の設置調整に要する時間により、運用時間は前後する場合があります)

運用場所  独立行政法人情報通信研究機構 平磯太陽観測施設内
(茨城県ひたちなか市磯崎町3601)

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【概要】

独立行政法人情報通信研究機構(NICT)(本部:東京都小金井市貫井北町4-2-1)の平磯太陽観測施設(茨城県ひたちなか市磯崎町3601)が、逓信省電気試験所平磯出張所として1915年(大正4年)1月1日に開設されて100周年を迎えることなどを記念して、NICTの職員有志を中心とするアマチュア無線家たちが、期間限定のアマチュア無線記念局8N100ICTを開局し、来たる12月6、7両日(土・日)に同施設において2日限定で運用いたしますので、お知らせいたします。

◆平磯無線(逓信省電気試験所平磯出張所)について

電波を使って離れた地点間で通信を行う無線技術は、およそ120年前の1895年にイタリアのマルコーニが初めて実用化に成功し、我が国ではその翌年の1896年(明治29年)から逓信省電気試験所(現在のNICT、独立行政法人産業技術総合研究所、NTTR&Dセンタなどの共通の前身)において実験研究が始まりました。1904年(明治37年)に勃発した日露戦争において、無線電信機を載せた日本の戦艦が日本海海戦で勝利したことなどを契機に、無線技術の実用化が加速しました。現代においても無線技術は、ワイヤレスとも呼ばれ、携帯電話、スマホ、Wi-Fiなど、日常生活にとってますます不可欠な技術になっています。
その無線技術の研究は、当初は東京の市街地にあった逓信省電気試験所の本部で行われていましたが、無線にとって重要なアンテナの研究には広い敷地が必要であることや、太平洋をまたぐ長距離無線通信の研究を本格化するために、1915年(大正4年)に現在の茨城県ひたちなか市に無線技術専門の研究拠点「平磯出張所」(通称「平磯無線」)が設けられ、研究が本格化しました。そのことから平磯無線は、「無線通信研究の故郷」あるいは「電波研究の本当の意味での発祥の地」と言われています。
発足当初の平磯無線では、アメリカで発明されたばかりの真空管技術を日本にいち早く導入して無線装置を設計・開発し、特にモールス符号(トンツー)でなく音声を直接電波に載せて送る「無線電話」の研究において先駆的な成果を出しました、例えば、トランシーバのように送話と受話を交互に行うのでなく、現在の携帯電話と同じく送話と受話が同時にできる方式や、無線電話装置を電話交換機に接続して、現在の携帯電話~固定電話間と同じように異種間の通話を可能にするなど、今日では当たり前になっている電話技術は、世界に先駆けて平磯無線において開発されたものです。
また、1925年(大正14年)に東京・愛宕山のJOAKによってラジオの本放送が始まる準備としての調査・試験が数多く行われ、米国のラジオ放送の受信に成功(当時の無線電話の最長距離レコード)したほか、後に「5球スーパー」の名で市民に広く知られることになる、スーパーヘテロダイン式ラジオ受信機の試作に、日本で初めて成功しました。
平磯無線はその後も、短波帯の電波の伝わり方の研究、電波状態の乱れによる無線通信への影響を予測・周知する電波警報業務、そして電波状態の乱れの原因の多くを占める太陽活動の観測へと、今日まで一貫して電波・無線技術に関する世界的な研究・観測拠点として活動してきました。

◆記念アマチュア無線局8N100ICT

NICTが平磯太陽観測施設を含む観測網により、電波状態の乱れを予測して発表している「宇宙天気予報」は、遠方との交信成功を目指すアマチュア無線家たちにとって、目を離せない情報源になっています。また、NICTが送信している標準電波は、電波時計の時刻合わせに活用される以前から、無線機に欠かせない周波数ダイヤルを調整するための基準として、全国のアマチュア無線家たちに活用されてきました。
アマチュア無線局には、無線従事者の資格を持つ者が集まって合同で開設する「社団局」があり、その中に、特別な事業の際にのみ、総務省から期間限定で免許を受けて開設する「記念局」があります。期間限定の記念アマチュア無線局は、記念にちなんだ特別なコールサインを使い、交信相手に対して特別な交信証(QSLカード)を発行するため、全国・全世界のアマチュア無線家たちから交信希望が殺到し、記念の意義を広くアピールする役割を果たします。
そこでこのほど、NICTの職員有志のアマチュア無線家などにより、平磯無線の100周年などを記念するアマチュア無線局(コールサイン8N100ICT)を、NICTの賛同も得て、12月1日に開局いたします。
8N100ICTは、12月1日から2015年11月30日までの1年間の期間限定免許を受けて、NICT の本部がある東京都小金井市を本拠地として、全国や全世界のアマチュア無線家たちと交信し、あるいはゆかりの地に無線装置を移動してオンエアし、その地域の無線家たちと交信していきます。また、地域防災訓練への参加、展示会や科学イベントへの出展なども積極的に行い、平磯無線100周年などを市民にも広くアピールしていきます。

◆12月6日(土)~7日(日)に2日限定で、NICT平磯太陽観測施設から8N100ICTを運用します

8N100ICTの活動の本格的スタートとして、来たる12月6、7両日に、平磯太陽観測施設内に仮設アンテナを立てて、移動無線局を運用いたします。100年前に黎明期の無線技術の研究拠点としてスタートしたゆかりの地から発信される記念無線局によって、近隣の茨城方面を始め、全国・全世界の多数のアマチュア無線家と交信し、平磯無線の歴史と偉業をアピールいたします。

(補足) 独立行政法人情報通信研究機構(NICT)

1896年(明治29年)に、当時の逓信省(ていしんしょう)電気試験所が無線電信の研究に日本で初めて着手したことに源流を持つ、総務省所管の公的研究機関です。戦後は、郵政省電波研究所、通信総合研究所などの変遷を経て、2004年(平成16年)4月に通信・放送機構(TAO)との統合によって、情報通信研究機構になりました。
8N100ICTは、平磯無線100周年、標準電波発射業務開始75周年、そして来たる2015年4月に予定されているNICTの国立研究開発法人化をまとめて記念するアマチュア無線局として活動してきます。

【お問い合わせ】

無線通信研究アニバーサリーアマチュア無線記念局リレー実行委員会
代表  滝澤 修
TEL 090-4363-3620
E-mail jr1ypu-webmaster@hp.jpn.org