今回の放送では、アマチュア無線の社会貢献活動への活用と、体験機会の拡大について、改正が行われるにあたり出されていたパブコメの結果と総務省の意見について見てみました。
どちらも、規制緩和により、アマチュア無線を使う機会が拡大され、活性化することが期待されます。
まずは、社会貢献への活用。130万人の方が憶えたアマチュア無線の定義が変更される、大改革になります。
10年ほど前、NPO法人のお手伝いしていた頃、ボランティア活動にアマチュア無線を使いたいと思ったことがありました。米国では、法律にもボランティアに使っても良いことが書かれ、ボランティア活動にアマチュア無線が広く活用され、その結果、アマチュア無線の地位が高いと感じました。日本でもそういう改正が必要だと思っていましたが、この度、その改正が行われることになりました。
大変うれしい反面、ちょっと心配なことが多いです。活用できる範囲の線引きが曖昧な部分があり、解釈によっては、なんでも使えてしまうように見えてしまいます。秩序が乱れてトラブルが起きないか、大変心配です。総務省やJARLが作成するガイドラインをもとに、各ボランティア団体などに、規則に沿った運用をすることを約束してもらいたいと思います。
もう一つ、体験機会の拡大。
これも規制緩和され、いろんな場面で体験をしてもらえるようになると思います。今一歩、進めてもらいたいところがあります。親子、祖父孫など親族であれば体験してもらえるのはすばらしいことですが、これではまだ足りない部分があります。例えば、たまたま遊びに来てくれた孫の友達、無線に関心のありそうなお隣の子など、普通に子供たちと接する機会に体験ができると良いと思います。
また、リスナーさんからご指摘がありましたが、病気やケガ、その他事情があって、学年が遅れてしまう子供がいますが、今の改正案ではそういった子供が、15歳を超えてしまうと、中学校に在籍していても体験できないケースも考えられ、今一つ、見直しをしていただきたいと思います。
規制緩和が進んでいることは喜ばしいことですが、ゆるゆるにならないようアマチュア無線家自身が見守っていく必要がありそうです。
ハムのラジオ 制作担当 JA1WTO よしはら